第1回ソーシャル・インパクト・ボンドSIB研究会 報告


2016年8月24日18:00より、市民活動プラザ星園小会議室において、第1回ソーシャル・インパクト・ボンドSIB研究会を研究会メンバー9人、参加者7人で開催しました(座長・NPO推進北海道会議代表理事田口晃、進行役・NPO推進北海道会議事務局長佐藤隆)。

研究会を開催するにあたり佐藤事務局長は、「社会のニーズや課題が複雑化し、一元的なサービスや制度による対応には限界が生じている。NPO等が行政との協働や地域で活動する手段として、北海道・札幌でSIBを導入できないか、みなさんの意見をお聞きしたい」と述べました。

続いて、田口晃代表理事より初回の発表が行われ、欧州政治学研究の経験をまじえて、SIBとは何か、イギリスでの発祥と発展、20世紀末から21世紀にかけてのマネー資本主義とグローバル化の影響について説明されました。

●当日の質疑応答より

Q 行政にとって利点はあるだろうか
A 財政負担軽減、社会課題解決、民間の取り組みを動機づけることなどはよいことに思える。行政がどのように予算を求めていくか、成果指標が数値化されていると予算獲得はしやすくなるかもしれない。ただ、成功報酬となると、当面必要な資金をどうやって予算化するのだろうか。
A 全面的に成果払いではない場合もあると聞く。補助や概算払いなどとの組み合わせがありうるのではないか。
Q 社会課題をお金に換算する仕組みに見える。これまで無償で取り組んでいた人に不公平感は出ないだろうか。やる気が低下しないだろうか。
A ソーシャルビジネスでも同じ議論があったがビジネス化することで社会課題解決の取り組みに持続性が生まれるというメリットがあるという意見がある。
A 事業性とボランティアはミックスされており、明確な境界線がないことが多い。プラスの効果もあるかもしれない。
A SIBの対象となるような事業は、専門性を不可避に要請されるものであるから、対価は必要になるだろう。
A 行政の公平性は画一的にならざるを得ない面があるが、社会課題は多様化しており一律な対応は困難になっている。

●当日出されたご意見より


・北海道NPOバンクの仕組みはSIBに近い。行政が出資している。これまでに総額3億円をNPOに融資している。評価の部分がなかったけれども、それをどうするか。
・NHKでSIBが取り上げられた中で、「お金のためにお金を動かすのに飽きていて、社会のために動かしたいと思う人がいる」という発言が印象に残った。
次回は10/5開催を予定しています。(NPO推進北海道会議事務局)

※今年度は北海道新聞社会福祉振興基金の助成を受けて実施しています。

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