2016-09-05

第1回ソーシャル・インパクト・ボンドSIB研究会 報告


2016年8月24日18:00より、市民活動プラザ星園小会議室において、第1回ソーシャル・インパクト・ボンドSIB研究会を研究会メンバー9人、参加者7人で開催しました(座長・NPO推進北海道会議代表理事田口晃、進行役・NPO推進北海道会議事務局長佐藤隆)。

研究会を開催するにあたり佐藤事務局長は、「社会のニーズや課題が複雑化し、一元的なサービスや制度による対応には限界が生じている。NPO等が行政との協働や地域で活動する手段として、北海道・札幌でSIBを導入できないか、みなさんの意見をお聞きしたい」と述べました。

続いて、田口晃代表理事より初回の発表が行われ、欧州政治学研究の経験をまじえて、SIBとは何か、イギリスでの発祥と発展、20世紀末から21世紀にかけてのマネー資本主義とグローバル化の影響について説明されました。

●当日の質疑応答より

Q 行政にとって利点はあるだろうか
A 財政負担軽減、社会課題解決、民間の取り組みを動機づけることなどはよいことに思える。行政がどのように予算を求めていくか、成果指標が数値化されていると予算獲得はしやすくなるかもしれない。ただ、成功報酬となると、当面必要な資金をどうやって予算化するのだろうか。
A 全面的に成果払いではない場合もあると聞く。補助や概算払いなどとの組み合わせがありうるのではないか。
Q 社会課題をお金に換算する仕組みに見える。これまで無償で取り組んでいた人に不公平感は出ないだろうか。やる気が低下しないだろうか。
A ソーシャルビジネスでも同じ議論があったがビジネス化することで社会課題解決の取り組みに持続性が生まれるというメリットがあるという意見がある。
A 事業性とボランティアはミックスされており、明確な境界線がないことが多い。プラスの効果もあるかもしれない。
A SIBの対象となるような事業は、専門性を不可避に要請されるものであるから、対価は必要になるだろう。
A 行政の公平性は画一的にならざるを得ない面があるが、社会課題は多様化しており一律な対応は困難になっている。

●当日出されたご意見より


・北海道NPOバンクの仕組みはSIBに近い。行政が出資している。これまでに総額3億円をNPOに融資している。評価の部分がなかったけれども、それをどうするか。
・NHKでSIBが取り上げられた中で、「お金のためにお金を動かすのに飽きていて、社会のために動かしたいと思う人がいる」という発言が印象に残った。
次回は10/5開催を予定しています。(NPO推進北海道会議事務局)

※今年度は北海道新聞社会福祉振興基金の助成を受けて実施しています。

2016-06-26

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2016-06-03

第17回通常総会のご報告

NPO推進北海道会議 第17回通常総会のご報告 


総会の様子(写真は田口代表理事)
2016526日木曜日午後6時より、札幌総合卸センター203号におきまして、NPO推進北海道会議第17回通常総会を開催しました。田口晃代表理事の挨拶の後、議長に加藤知美さんを選出し、議案審議を行いました。

佐藤隆理事より、2015年度活動報告、決算報告、2016年度事業計画、予算について説明がなされ、それぞれ承認されました。また佐藤理事から、2016年度予定している、ふるさと納税制度の現状の問題点を踏まえた行政への提言と、ソーシャルインパクトボンド研究会の立ち上げ(P8参照)について説明があり、活発な質疑応答がなされました。

その後、任期満了に伴う理事の改選について役員推薦委員より推薦があり、満場一致で承認され閉会しました。代表理事は引き続き、田口晃さん(北海学園大学開発研究所特別研究員)が務めます。


代表理事ご挨拶




NPO推進北海道会議 代表理事  田口 晃


526日の総会と理事会で推進会議の代表理事に選んでいただきました。
もう72歳なので、引退した方がよいのでしょうが、まだお役にたてるならば、ともう一期務めることに決めました。よろしくお願いします。

ところで、昨年から自由な社会について考えさせられる機会がふえているようですね。立憲主義をめぐる議論もその一つでしょう。国家と行政の権力を制限する立憲主義は、自由な社会に活動の場を用意するどちらかと言えば消極的な発想です。それに対して、立憲主義によって守られる自由な空間で、個人が、必要に応じてグループを作り、自由にものを考え、判断・表現し、活動する、つまり自発的な市民活動が様々な形で展開して行くことが重要です。つまり我々NPOこそ、自由な社会の主役なのだ、ということです。

実際、行政や民間企業との協働や資金獲得もふくめ、NPO活動の仕方も多彩になってきました。たとえば、今月から「北海道NPOファンド」は認定NPO法人となり、寄付に優遇税制が適用されることになりました。これを機会に寄付について再検討してみたいと思っています。また、資金調達の新しい手法としてふるさと納税の過程にNPOを取り入れてもらうよう昨年から自治体に働きかけ、提案してきました。さらに英米で始められた「社会的インパクト契約」のような民間資金の活用法を北海道でもできないか、検討するための研究会をNPO推進北海道会議で立ち上げることにしました。具体的な内容は追ってお知らせします。関心をお持ちの方は御参加ください。(2016年6月1日)

SIB(ソーシャル インパクト ボンド)研究会

SIB(ソーシャル インパクト ボンド)という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。社会的投資事業のひとつで、従来は行政の事業と思われていたものに民間の資金と組織を投下し、成果に応じて事後的に行政が事業費を支払うスキームです。
 
 この民間投資は事業成果に対するリターンに期待する面と社会的責任活動(CSR)としての取組という両面を持つものです。民間投資である以上はリスクが当然ともないます。
従って、綿密な事業計画や評価基準が重要となります。

 一方行政は、少子化、高齢化、社会的貧困化の拡大など従来の守備範囲や手法では解決が困難な状況に直面しています。
 SIBは英国から生まれ世界的に波及しつつある社会課題解決へのアプローチ手法で、英国では様々な分野で活用されています。一例では、刑期を終えた元受刑者へのサポート活動を行い再犯へ至らないように取組み、地域としての再犯率を減少させる活動など、行政だけでは手の届かない困難な活動を行っています。
日本では横須賀市が、日本財団の資金と民間の組織を活用し特別養子縁組を進める活動をパイロット事業として行っています。

 日本ではまだ制度として確立していないSIBですから、多くの課題が想定されます。
・どのような課題をSIBの対象とするか
・それぞれの事業ごとの評価基準はどのようなものとするか
・行政が成果払いを行う際のコスト計算はどうなるのか
・行政と事業実施の民間組織との契約で、発注者―受注者という関係で良いのか
等々乗り越えるべきハードルは多くあります。
 NPO推進会議は田口代表理事を座長に少数ながら研究会を立ち上げて検討を始めています。本ニュースで研究成果等をお知らせしつつ、節目ではシンポジウム等を実施する予定です。