ソーシャル・インパクト・ボンドSIB研究会 報告


2016年10月5日18:00より、市民活動プラザ星園3階特別会議室において、第2回第3回ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)研究会を、参加者8人で開催しました(座長・NPO推進北海道会議代表理事田口晃、進行役・NPO推進北海道会議事務局長佐藤隆)。

今回より、実際に生活困窮者支援活動などに携わるNPO法人2団体より研究会メンバーを招へい、議論の具体化を図ることとしました。また、新しい形の資金調達方法であるSIBと対比する意味で、北海道NPOバンク、北海道NPOファンドによる従来からのNPO分野における資金循環の実践について説明しました。

この日は、初めに、佐藤事務局長より流れの説明があり、新メンバーのNPO法人Kacotamの高橋氏、NPO法人自立支援事業所ベトサダの藤原氏より各々の活動についてご説明いただき、認識を共有するために質疑の時間を設けました。

発表者 NPO法人北海道NPOバンク 事務局

続いて第2回の発表として、北海道NPOバンクから、NPOとしては全国初となった設立の経緯、沿革、融資活動の推移について説明がありました。

主な意見
・つなぎ資金の割合は減ってきている。以前は行政の概算払いが少なかったので。
・運転資金設備資金が増えているということは、デフォルトリスクも高まってるということだろうが、こげつきが少ないのは感心する。。
・バンク理事としていうと、石橋をたたく融資が多かった。資金需要に対応しているかは疑問なところがある。200万円では金額的に少ない。もう少しリスクがあってもあたらしい事業に融資したい気持ちがある。

北海道NPOバンク

発表者 認定NPO法人北海道NPOファンド 事務局 

北海道NPOファンドから第3回の発表として、設立経緯、沿革、助成活動の推移について説明があり、現状の課題と今後に向けて打ち出した対策(認定NPO法人格取得と新しい基金の造成)について説明がありました。

主な意見・質問
Q 新設される予定の基金というのは、団体でなくプロジェクトに助成するのか
A はい。採択団体の組織診断や組織基盤強化を行うことが特徴と考えている。この基金以外の、越智基金のような助成事業も考えているけれども、初めに具体化しようと考えているのがプロジェクト基金。
A 認定になっても、寄付は集まらない。活動を世間に周知するために何をするか。いかにして認知してもらうか。プロジェクトを立ち上げて、広報をかけていく。いわば寄付集めの代行のような形で、認定制度の税制優遇についても世間に知ってもらいたいと考えている。
・寄付をする側からすると、クラウドファンディングのような成果を見せていくほうが共感されるように思う。
・ふるさと納税が注目されているが、認定NPO法人制度にも注目してもらいたい。

・個別のNPOが寄付集めするのは大変だ。認定制度を使って、NPOファンドがその代わりを務めたい。

北海道NPOファンド

まとめと次回以降について

最後に田口座長より、「SIBの大きな特徴はSIすなわちソーシャルインパクトの数値化であり、数値化により投資の明確な判断基準ができることになり、また行政が予算化する際の根拠ともなる。この点を念頭に次回以降さらに具体的な議論を進めていきたい」という総括をいただいて終了しました。

※今年度は北海道新聞社会福祉振興基金の助成を受けて実施しています。

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