2025年8月 読書会だより 田口晃
先週 28 日の読書会では金子勝「裏金国家」の第3章「裏金国家ー国が腐るとはどういうことか」を扱いました。特に大軍拡に向けた財政の変貌がこの章のテーマであり、財政学者金子勝の面目が躍如とした章でした。武器の購入で「後年度負担」という手法を用いたり、予備費を意図的に余らせて「決算時剰余金」を捻り出したり、支出が複数年度にわたる「基金」を 100 以上も作り、そこからも剰余金を出してそれらを軍事費に振り向けることが可能になる。また、アベノミっクス以来の国債日銀引き受けはアジア太平洋戦争の戦費調達に似てきており、それらは、議会と法律によって税金や予算を決めるという「財政民主主義」、つまりは民主主義を破壊する「 2015 年体制」の柱だということでしょう。参院選で排他的かつ好戦的な政党が進出してきており、我々としても真剣に現状とテキストの双方と取り組む必要があると感じています。 NPO推進北海道会議 理事・田口晃