SIB(ソーシャル インパクト ボンド)研究会

SIB(ソーシャル インパクト ボンド)という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。社会的投資事業のひとつで、従来は行政の事業と思われていたものに民間の資金と組織を投下し、成果に応じて事後的に行政が事業費を支払うスキームです。
 
 この民間投資は事業成果に対するリターンに期待する面と社会的責任活動(CSR)としての取組という両面を持つものです。民間投資である以上はリスクが当然ともないます。
従って、綿密な事業計画や評価基準が重要となります。

 一方行政は、少子化、高齢化、社会的貧困化の拡大など従来の守備範囲や手法では解決が困難な状況に直面しています。
 SIBは英国から生まれ世界的に波及しつつある社会課題解決へのアプローチ手法で、英国では様々な分野で活用されています。一例では、刑期を終えた元受刑者へのサポート活動を行い再犯へ至らないように取組み、地域としての再犯率を減少させる活動など、行政だけでは手の届かない困難な活動を行っています。
日本では横須賀市が、日本財団の資金と民間の組織を活用し特別養子縁組を進める活動をパイロット事業として行っています。

 日本ではまだ制度として確立していないSIBですから、多くの課題が想定されます。
・どのような課題をSIBの対象とするか
・それぞれの事業ごとの評価基準はどのようなものとするか
・行政が成果払いを行う際のコスト計算はどうなるのか
・行政と事業実施の民間組織との契約で、発注者―受注者という関係で良いのか
等々乗り越えるべきハードルは多くあります。
 NPO推進会議は田口代表理事を座長に少数ながら研究会を立ち上げて検討を始めています。本ニュースで研究成果等をお知らせしつつ、節目ではシンポジウム等を実施する予定です。

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