【報告】オープンセミナー「日本型ソーシャルインパクトボンド(SIB)とは?」


2017年7月22日市民活動プラザ星園特別会議室において、日本ファンドレイジング協会北海道チャプターとNPO推進北海道会議の共催により、オープンセミナー「日本型SIBとは?」を開催しました。講師には、日本ファンドレイジング協会事務局長/社会的インパクトセンター長の鴨崎貴康氏をお迎えしました。昨年から継続しているSIB研究会のメンバーをはじめ、ソーシャルインパクトボンドへの関心が比較的高い方14人が参加しました。 鴨崎氏は、SIBの特徴(成果評価、成果連動の支払、失敗リスクの民間の資金提供者に移転)およびメリット(よりよいサービス(市民)、社会課題解決、行政コスト削減(行政)、社会課題解決への貢献意識、経済的リターン(資金提供者)、安定的資金調達(NPO等の事業者)、日本における実証事業の詳細と今後本格導入が予定されている案件についての詳細を説明しました。実際にSIB案件組成に関わっていた鴨崎氏ならではのお話しに、参加者からは多くの質問が寄せられました。

◎当日質疑の一部をご紹介します。

「官民連携枠組みということなので、行政へのアプローチの仕方は?」→「トップの理解と決断、担当課の理解と前向きな姿勢、調整役(企画系の部署)の3つが必要である」「SIBを説明してほしいという行政からのリクエストはおおいが、担当課だけでなく首長が同席する場をセットしてもらう」「事例ができれば日本の場合広がりは早いのではないか」
「八王子の事例で事業者に最低保証はあるか」→「ない。成果が出ないと行政は支払わない。投資家がリスクを負う。」
「成果報酬の目安はどのように決まるのか」→「事業シミュレーションを出したうえで、投資家、行政、事業者の合意点が報酬として決まる」
「行政が投資家の文化を理解するためには?」→「行政の感度によると思う。福祉分野の職員とは相性がわるい。事業の性質としてはSIBが向いているが、成果連動支払などに拒否反応もある。」
「成果が出るまで時間がかかる事業はどのように評価するか」→「エビデンスの蓄積がある分野では、シミュレーションをして、たとえば1年後にある指標が達成されていれば、10年後に意図した事業成果が一定確率で実現されると判断して成果報酬を支払うことができる」
「成果を出すのに長期間かかる事業はSIBに向くだろうか?」→「そこに向けて組成することはできるが、成果が何かを定める必要はある」
「実証事業において、事業者にとってSIBとして事業を実施したメリットは何だったか」→「資金提供者が民間なので、より柔軟な運営ができた。官民連携がうまくいった」
「SIBによってシャドウワークが増えることはないか」→「投資家への報告は必要になるし、時には投資家側からの介入もありうる。しかし行政に出す書類は少ないだろう」(報告・事務局高山)

SIB研究会第2期スタート!
今期は、社会的インパクト評価の実践を目指して活動します。
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