突出した実践と一体のアドボカシーが社会を変える-佐藤隆
突出した実践と一体のアドボカシーが社会を変える
札幌市内にあり設立10年前後の困窮者生活支援や、障害者自立支援に取組むNPOの活動の実態を教えてもらう機会があった。ひとつは困窮者支援で、人生の軋轢のなかでやむなく札幌に出てきて行き場を失う人たちに食事と寝る場を24時間365日提供し、生活保護ではなく自立できる仕事を紹介し見守るNPO。もうひとつは障害者自立支援事業の中で蓄積したノウハウと財政力を自らの判断で、「必要」と思う制度外の独自事業(利益を生むことは100%無い)に取組み、行政に制度設計を促そうとする活動。
前者は生活保護のあり方にも影響を与える、捨て身」のセーフティネットであり、後者は
NPOにとっての生命線の一つと目される「アドボカシー」(政策提言)そのものであるように思われる。個別NPOは深化(進化)を続けている。実践に裏打ちされたアドボカシーこそが社会を変え得ると思う。
国連が総会で採択し、今後10年すべての国や組織が取り組む活動目標(SDGs)がある。もとより、個別のNPOは国連に言われるまでもなく自らの意志で活動しているが、自国第一主義が台頭し民族・国家の壁が第二次世界大戦当時にまで高まるかのように見える中で、貧困撲滅、人権や環境保護の人類的な普遍性を視野に入れておきたい。(北海道NPOサポートセンター・NPO推進北海道会議 佐藤隆)